書類が一通り揃った。公証も済ませた。——では、これをどこに、どうやって出すのでしょうか。
窓口に持参するのか、郵送なのか。出したあとはどのくらい待つのか。何も連絡が来ないとき、いつ問い合わせていいのか。そして認証が下りたら、何が手元に戻ってくるのか。本記事では、MWO(駐日フィリピン移住労働者事務所)への提出から認証書類の受け取りまでを、実際の流れに沿って解説します。
結論:提出は郵送が基本。返信用レターパックを同封する
まず要点です。MWOへの申請書類は、管轄のMWOに郵送で提出します。窓口に持参する形ではありません。
そして重要なのが、返信用のレターパック(日本郵便)を同封するという点です。認証済みの書類は郵送で返送されるため、返信用の封筒がなければ書類が戻ってきません。MWO東京は公式サイトで、レターパックに記載する会社情報はローマ字(英語表記)で書くよう案内しています。
もう一点、企業にとって嬉しい情報があります。MWOは認証手続きに手数料を徴収しません。MWO東京は公式サイトで明記しています。かかるのは公証役場の手数料や郵送費など、周辺の実費だけです。
提出先の住所
郵送先は管轄によって異なります。管轄は就業場所の都道府県で決まります(詳しくはMWO東京とMWO大阪の違いで解説しています)。
MWO東京
〒106-8537 東京都港区六本木5-15-5
フィリピン共和国大使館 MWO東京
MWO大阪
〒541-0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-3-5 URBAN CENTER御堂筋7階
フィリピン共和国総領事館 MWO大阪
住所は変更されることがあるため、送付前に提出先MWOの公式サイトでご確認ください。
送る前に整えておく体裁
MWOは書類の体裁についても要件を示しています。MWO東京の案内をまとめると、次のとおりです。
用紙はA4サイズ。ホチキス留めはせず、クリップで留めること。記載事項はすべてタイプ入力で、修正跡があるものは不可。署名と押印は原本であること(電子署名は認められません)。そして書類はチェックリストの順番に並べること。
日本語の書類にはすべて英訳を添え、翻訳証明書を付けるか、翻訳した人の氏名・署名・押印を記載します。
体裁の不備で差し戻されるのは時間の無駄なので、封をする前に一度確認してください(詳しくはMWO申請が差し戻される理由で解説しています)。
受理から認証までの流れ
① 到着・受理
郵送された書類がMWOに届き、審査に入ります。
② 書類審査
提出書類がフィリピンの制度に照らして要件を満たしているかが確認されます。標準的な処理期間は、書類に不備がなければ10〜15営業日とされています。土日祝は含みません。出入国在留管理庁の資料でも「15営業日内」と案内されています。
ここで押さえておきたいのが、書類が不完全な場合は返送されるという点です。「不足分だけ後で追加」という進め方はできません。一式を完全な状態にして送るのが原則です。
もう一つ、営業日の数え方に注意が必要です。MWO東京はフィリピン大使館内、MWO大阪はフィリピン総領事館内にあり、日本とフィリピン両国の祝日で閉館します。つまり「10〜15営業日」の営業日は、日本の祝日でもフィリピンの祝日でも進みません。日本のゴールデンウィークや年末年始、フィリピンのホーリーウィーク(イースター前後)や独立記念日などの大型連休を挟むと、暦の上ではさらに時間がかかります。加えて、フィリピンでは選挙などで臨時の休業日が急に宣言されることもあります。各年の休館日はフィリピン大使館・総領事館が「Schedule of Holidays」として公表しているので、大型連休を挟みそうなときは事前に確認しておくと、スケジュールを読み違えずに済みます。
③ 必要に応じた確認
MWOの判断で、面接や実地調査が行われることがあります。面接は依頼があった場合に実施され、受入れ企業側の担当者が英語で受けます。第三者による代理は認められません。
④ 認証
問題がなければ、書類に認証印(スタンプ)が押されます。
⑤ 返送
認証済みの書類一式が、同封した返信用レターパックで企業に返送されます。
認証後に受け取るもの、そのあとにやること
返送されてくるのは、認証印が押された提出書類一式と、推薦書(Recommendatory Memorandum)です。推薦書は、MWOが「この企業は要件を満たしている」と本国DMWに推薦する文書にあたります。
そして、ここからが企業の作業として残っている部分です。受け取った認証書類を、企業からフィリピンの送出機関へ送付します。送出機関がそれを本国のDMWに提出し、雇用主登録・求人登録が完了します。
つまり書類の流れは、企業 → MWO → 企業 → 送出機関 → DMW というリレーです。MWOが直接DMWに送ってくれるわけではないので、認証が下りて安心して止まってしまわないよう注意してください。
認証書類は再発行に手間がかかる重要書類です。送付時は追跡できる方法を使い、送付前に全ページのコピーを取っておくことをおすすめします。
連絡が来ないときは、いつ問い合わせるか
提出後、何の音沙汰もないと不安になります。ただし、問い合わせのタイミングには目安があります。
MWO東京は、15営業日を過ぎても連絡がない場合に問い合わせるよう案内しています。裏を返せば、それ以前の催促は審査を早める効果がありません。提出日を記録しておき、営業日でカウントして、期日を過ぎてから連絡するのが適切です。
なお、あくまで標準的な処理期間なので、時期や案件によって前後します。採用スケジュールを組むときは、この期間に加えて書類準備の期間、そして差し戻しが発生した場合の再提出期間も見込んでおくのが安全です。
よくある間違い
返信用レターパックを入れ忘れる
これがないと認証書類が返ってきません。同封物のチェックで最初に確認してください。
レターパックの宛先を日本語だけで書く
会社情報はローマ字での記載が案内されています。
不足書類を後から追送しようとする
不完全な申請は返送されます。一式を完成させてから送るのが結局いちばん早い方法です。
認証が下りた時点で完了したと思ってしまう
認証書類を送出機関へ送るところまでが企業の仕事です。ここで止まるとDMW登録が進みません。
待っている間に何も準備しない
審査中に日本側の在留資格手続きを進めておくと、全体のスケジュールに余裕が生まれます。フィリピン側と日本側は並行して走らせるものです。
まとめ
- 提出は管轄MWOへの郵送。返信用レターパック(会社情報はローマ字)を必ず同封する
- MWOは認証手続きの手数料を徴収しない
- 体裁の要件はA4・クリップ留め・タイプ入力・原本署名・チェックリスト順
- 標準処理期間は書類に不備がなければ10〜15営業日。不完全な申請は返送される
- MWOは日本・フィリピン両国の祝日で閉館。大型連休を挟むと暦上はさらに延びる
- 認証後は、認証印付き書類一式と推薦書(Recommendatory Memorandum)が返送される
- 受け取った書類を企業から送出機関へ送るところまでが企業の作業
- 問い合わせは15営業日を過ぎてから
本記事は情報提供を目的としています。提出先・処理期間・必要書類は変更されることがあるため、実際の申請にあたっては管轄のMWOの最新情報をご確認ください。

