もう1人採用したいときのMWO手続き|Job Orderの人数枠・有効期限と追加求人(Additional Job Order)

MWO手続き

MWO手続き|追加求人・増員

「2年前にMWO(駐日フィリピン移住労働者事務所)の認証を取って、フィリピン人を2名採用した。現場の評判が良いので、もう1人採用したい。認証は済んでいるから、すぐ動けるはず」——増員のご相談で、よくある状況です。

ですが、その前に確認すべきことが2つあります。認証時の人数枠は残っていますか。そしてJob Order(求人票)の有効期限は切れていませんか。

MWOの認証は「この企業はフィリピン人を自由に採用してよい」という許可ではありません。この記事では、Job Orderの枠と期限の仕組み、そして追加採用のための手続き——追加求人(Additional Job Order)——を解説します。

結論:認証は「枠」。枠を超える・条件が違う・期限が切れた、で手続きが変わる

  • MWOの新規申請(Initial Accreditation)では、企業情報の登録と同時にJob Order(求人情報)を登録します。認証されるのは「この職種・この条件・この人数まで」という採用枠です。
  • 枠には2つの上限があります。人数枠(認証を受けた募集人数)と有効期限(Job Orderは原則最長3年。企業認証=Company Accreditationの最長5年を超えられません)。
  • 人数枠を超える採用、または認証時と条件(勤務地・職種・給与など)が異なる採用をするには、追加求人(Additional Job Order)の申請が必要です。
  • 追加求人は新規申請より軽く、公証は原則不要です。ただし独特の準備として、新規申請時にMWO・DMWの認証印を受けた書類のコピーが必要になります。
  • 有効期限が切れている場合は、追加求人ではなく初期登録(Initial Accreditation)のやり直しになります。切れる前に動くかどうかで、手続きの重さが大きく変わります。

「認証済み」は「無制限に採用できる」ではありません。認証されたのは枠です。増員の前に、枠の残りと期限を見てください。

Job Orderの構造:2つの期限の入れ子

Job Orderの有効期間は、単独では決まりません。

  • 企業情報登録(Company Accreditation):最長5年
  • Job Order:原則最長3年。ただし企業認証の有効期限を超えることはできません
  • 期間内に認証人数を採用しきれなかった場合、DMWの承認を前提に1回に限り更新が可能です(更新後も最長3年・企業認証の期限が上限)

たとえば企業認証の残りが2年なら、Job Orderも2年までしか認められません。Job Orderは企業認証という土台の上に成立する枠——この入れ子構造を押さえると、期限管理が明確になります。なお、企業認証自体が満了する場合は、更新(Renewal of Accreditation)と追加求人を同時に申請する形になります。

自社の枠の残り(認証人数−在籍数)と期限は、受入れ管理表で常時見える状態にしておくのがおすすめです。

追加求人が必要になる場面・ならない場面

必要になるのは、次のいずれかです。

  1. 人数枠を超えて採用したい(例:3名枠で3名採用済み、4人目を採りたい)
  2. 認証時と異なる条件で採用したい(別の勤務地・別の職種・異なる給与条件など)
  3. すでに異なる条件で採用してしまった(事後的に整理が必要なケース)

不要なのは、認証済みのJob Orderの枠内・同一条件・有効期限内での採用です。この場合は既存の枠で手続きを進められます。

判断の起点は、新規申請時に何を申告したかです。人数枠・勤務地・職種・給与条件の4点を、当時の認証書類と突き合わせて確認してください。

必要書類:新規より軽いが、「旧認証書類のコピー」が要る

追加求人の必要書類は、東京・大阪で大きな違いはありません。構成は次のとおりです。

  • 申請書(Annex F)——新規申請の様式はAnnex E。Annexの取り違えは定番の差し戻し原因です
  • 求人票(Manpower Request/Job Order・Annex C)と日本人スタッフの給与明細
  • 新規申請時に認証を受けた書類のコピー(MWOとDMWの押印があるもの):①求人票 ②雇用契約書・条件書 ③給与内訳(Salary Breakdown)
  • 新たな職種で採用する場合:業務内容の説明書(Annex C2)
  • 勤務地・職種・給与条件・勤務条件が異なる場合:雇用契約書(Master Employment Contract)・条件書(Written Employment Conditions・Annex B)の作り直し

新規申請と違い、公証(私署証書認証)は原則不要です。PRA(送出機関)と企業の登録自体は新規申請で完了しているため、少ない書類で進められます。

注意したいのが旧認証書類のコピーです。MWOで認証された書類は、PRAからDMWへ提出され、DMW認証後にPRAへ戻る流れのため、認証書類はPRAが保管しているのが一般的です。手元にない場合はPRAから取り寄せます。どうしても見つからない場合は、管轄MWOへ相談してください。

申請の流れ

  1. 枠と条件の確認:認証人数枠・勤務地・職種・給与条件の4点を、新規申請時の申告内容と突き合わせる
  2. 書類の作成・準備:旧認証書類のコピーをPRAから取り寄せ、申請書(Annex F)・求人票などを作成
  3. 管轄MWOへ郵送申請:返送用に、自社の住所を記載したレターパックを同封
  4. 認証(Verification):認証後、書類が返送される

審査期間の実測は審査期間の定点観測ページを参考にしてください(現時点の実測は新規申請のみのため、追加求人のデータは今後掲載予定です)。

差し戻されやすい4つのポイント

  1. 新規申請時の書類コピーの不足。PRAからの取り寄せに時間がかかることを見込んでおきます。
  2. 申請書のAnnex間違い(新規=Annex E/追加=Annex F)。
  3. PRAの代表者変更の見落とし。送出機関側の代表者が変わっている場合、新たに作成する求人票の代表者名は現在の代表者にします。
  4. 条件変更があるのに必要書類が揃っていない。特に最低賃金の改定により、新規申請時より給与額が上がっているケースは非常に多く、その場合は雇用契約書・条件書の作り直しが必要です。

4番は、雇用条件を変更するときの手続きで解説した「認証時点で固定された契約と現在のズレ」が、まさに表面化する場面です。会社名・所在地・代表者が変わっている場合の整理は会社の情報が変わったときのMWO手続きをご覧ください。

期限が切れていたら:追加求人ではなく、初期登録のやり直し

Job Order・企業認証の有効期限が切れた後は、追加求人は使えません。新たに初期登録(Initial Accreditation)からやり直しになります。公証を含むフルコースの書類準備が再び必要になり、時間もコストも段違いです。

つまり、増員の可能性が少しでもあるなら、期限が生きているうちに動くのが鉄則です。「今すぐは採用しないが、来年あたりもう1人」という見通しがあるなら、期限を確認し、切れる前に更新・追加求人を検討してください。

よくある間違い

  1. 「認証済みだから何人でも採用できる」と考える。認証されたのは人数枠と条件です。
  2. Job Orderの有効期限を把握していない。原則最長3年、かつ企業認証(最長5年)の残期間が上限です。
  3. 期限が切れてから増員を計画する。追加求人ではなく初期登録のやり直しになります。
  4. 旧認証書類のコピーを直前に探し始める。PRA保管が一般的なため、取り寄せの時間を見込みます。
  5. 給与が上がっているのに、旧条件のまま申請する。最低賃金改定後は、契約書・条件書の作り直しがほぼ必須です。

まとめ

増員の手続きは、「枠が残っているか・条件は同じか・期限は生きているか」の3点で決まります。枠内・同一条件・期限内なら既存の認証で進み、枠超え・条件違いなら追加求人(Annex F・公証不要・旧認証書類コピー必須)、期限切れなら初期登録のやり直し——この3分岐です。

追加求人は、新規申請に比べれば軽い手続きです。しかしそれは、新規申請時の書類と現在の条件が整理されていればの話。認証書類の保管場所を把握し、最低賃金改定による条件のズレを毎年点検しておく——日頃の管理が、増員のスピードをそのまま決めます。

受入れ手続き全体の流れはMWO手続き完全ガイドをご覧ください。

本記事は情報提供を目的とした一般的な整理であり、個別の手続きの可否や必要書類・様式を保証するものではありません。Job Orderの有効期間・更新の取り扱いには複数の運用情報があり、変更されることがあります。実際の手続きにあたっては、管轄のMWO(駐日フィリピン移住労働者事務所)・DMW(移住労働者省)・送出機関の最新情報を必ずご確認ください。

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